線形代数 ノルム

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ノルムとは?

ノルム(norm)とは、ベクトルの「大きさ」を測る方法のことです。
最も身近なのは「ユークリッド距離(直線距離)」ですが、他にもいくつか種類があります。

数学的には、ベクトル
x = (x1, x2, …, xn)
に対して次のように定義されます。


代表的なノルム

1. L1 ノルム(マンハッタン距離)

定義:||x||1 = |x1| + |x2| + … + |xn|

  • 成分の絶対値をすべて足したもの
  • 碁盤目の街(マンハッタン)の道路を移動する距離に対応
  • 別名:「マンハッタン距離」

2. L2 ノルム(ユークリッド距離)

定義:||x||2 = √(x1² + x2² + … + xn²)

  • 成分を二乗して足し、その平方根をとったもの
  • 普通の直線距離(ピタゴラスの定理)
  • 別名:「ユークリッド距離」

3. L∞ ノルム(チェビシェフ距離)

定義:||x||∞ = max(|x1|, |x2|, …, |xn|)

  • 成分の中で最大の値を取る
  • チェスのキングが動く手数に例えられる
  • 別名:「チェビシェフ距離」

応用例

  • 機械学習:損失関数や誤差の尺度に利用
  • クラスタリング:データ間の距離を計算する際に選択
  • 株式分析:企業データの「指標の違い」を測る方法として使える
  • L1:各指標のズレを合計して評価
  • L2:全体的なバランスを直線距離で評価
  • L∞:一番悪い指標(最大リスク)を強調

覚え方まとめ

ノルム定義形(2次元)イメージ別名
L1x1+x2
L2√(x1²+x2²+…+xn²)ドローン直線ユークリッド距離
L∞max(x1,…,xn

まとめ

ノルムとは「ベクトルの大きさ(距離)」を測る基準のことです。

  • L1:マンハッタンの道路を歩いた距離
  • L2:直線距離
  • L∞:最大成分

使う場面によってどのノルムを選ぶかが変わり、機械学習・データ分析・株式分析などさまざまな分野で活用されています。

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